【主張】野党合流の破談 理念なき互助会は不要だ

 数合わせで「選挙互助会」を作ろうとしたが、衆院解散総選挙の機運が遠のいたため、破談になった。そういう話ではないのか。

 立憲民主党と国民民主党の合流協議が見送りとなった。当面は国会の統一会派で共闘し、安倍晋三政権と対峙(たいじ)していくのだという。

 立憲民主の枝野幸男代表が昨年12月初旬、国民民主などへ合流を呼びかけた。今年1月に衆院解散総選挙があるかもしれないと思われた時期である。自民党の半分規模の党を作り、選挙や国会で対抗する狙いがあったのだろう。

 その後、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐる汚職事件で元自民党の衆院議員、秋元司容疑者が逮捕され、「桜を見る会」をめぐるずさんな公文書管理がわかったことで、総選挙は遠のいたとの見方が広がった。

 立民の枝野、国民民主の玉木雄一郎両代表は7~10日に計約10時間も会談したが、折り合えなかった。枝野氏側は政党として立民が法的に存続し、党名も「立憲民主党」とする条件を示した。いわば吸収合併である。玉木氏側は党名の変更が必要とし、政策、人事などで対等な合流を求めた。

 両者の溝が埋まらなかったのは当然だ。立民と国民民主の規模はさほど変わらない。吸収合併は無理がありすぎる。

 どちらも旧民主党、旧民進党を源流としている。だが、立民には記者会見場に国旗がなく、国民民主には国旗があることが象徴するように、基本理念や政策には隔たりがある。

 共産党との共闘に熱心で、日教組など旧総評系労組の支援を受ける立民に対し、国民民主は「穏健な保守」を掲げる。合流後もその立ち位置をとりたいとしたが、立民が応じるわけもない。

 政権運営に失敗した旧民主党は右から左までいる寄り合い所帯で、それが「決められない政治」を招いた一因だった。立民と国民民主が数合わせに走れば、あきれた野党支持層は昨夏の参院選で躍進した「れいわ新選組」へ関心を向けるだけではないか。

 野党が有権者の支持を広げるには、国会で骨太の政策を掲げ、安倍政権に挑むしかない。中国の新型肺炎対策や習近平国家主席の国賓来日、北朝鮮問題、憲法改正、経済、社会保障など、論ずべき課題はいくらでもある。

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