【主張】2つの結党大会 いったい何が変わったか

 結党大会といわれても何が新しくなったのか分からない。

 国民民主党の大半を事実上吸収して再スタートした立憲民主党と、合流を拒んだ議員で結成した国民民主党のことだ。

 党名を変えても中身が変わらなければ同じことだが、党名すら変わらないままの結党大会だ。

 枝野幸男代表を中心とした立民はどう生まれ変わるのか。これを具体的に行動で示していくのが野党第一党の責任だろう。

 枝野氏はあいさつで「困難と挫折、教訓を生かし、未来に対する責任を果たしていきたい」と述べた。大会では「立憲主義と熟議を重んじ、人間の命と暮らしを守る」とする基本理念や「原発ゼロ社会を一日も早く実現する」などの綱領も承認された。

 人事では幹事長に合流前の福山哲郎幹事長をそのまま起用し、党内からも「あまりに新味がない」との不満が聞こえる。

 風通しが悪いと批判された、かつての党運営に対する反省も感じられない。

 新組織に何より求めたかったのは現実的な安全保障政策だった。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題にどう取り組み、尖閣諸島周辺海域や南シナ海で傍若無人に振る舞う中国とどう向き合うのか。

 旧民主党時代、日米同盟の抑止力を高める安全保障法制を「戦争法案」と呼ぶなど、共産党とともに反対運動を展開したのは記憶に新しい。巨大与党に対抗するためとはいえ、共闘優先で政府、与党を批判するだけでは有権者の支持も広がるまい。

 政権担当能力をアピールするのなら、日本人の生命や安全に責任を負う安保政策の披瀝(ひれき)が不可欠である。これを示さぬまま政権を担うことができると考えているとすれば、無責任が過ぎる。

 枝野氏は官房長官という政権中枢で国政を担った経験がある。新型コロナ対応や公文書管理のあり方など、国会論戦は是々非々でやればよい。その上で有権者のために必要な政策を堂々と掲げるべきである。

 国民も分かりづらい。衆院は立民と共同会派、参院は別会派だ。国会対策上の理由とはいえ支持者も混乱するだろう。両党とも本気で政権与党を目指すなら、まず日本をどうしたいのか、国家のグランドデザインを示すべきだ。

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