三越伊勢丹HD 新規事業を撤退・縮小 脱大西路線 多角化見直しへ

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、3月末に退任する大西洋社長が進めてきた新規事業を撤退・縮小することが12日、関係者への取材で分かった。事業の多角化で本業の百貨店事業の人手が不足しており、今後1~2年かけて整理し人員を再配置する。現場の混乱を収束し、百貨店事業の立て直しを急ぐ狙いだ。

 三越伊勢丹は消費者の百貨店離れを背景に、大西社長が主導し、新規事業を拡大。飲食や婚礼などの共同出資会社の設立やベンチャー企業への出資、化粧品や食品などの小型店の拡大を続けてきたが、現場の負担が重くなっていた。

 訪日外国人による「爆買い」の終息で業績不振に陥る中、大西社長が推進してきた多角化路線に対しては労働組合の反発も強く、大西社長は退任に追い込まれた。4月には杉江俊彦取締役専務執行役員が社長に昇格。新体制では大西社長の路線を修正し、業績の改善に取り組む。

 中国向けのネット通販や婚礼、飲食事業などの新規事業は採算が取れず、撤退も視野に入れている。化粧品や食品などの小型店の拡大も見直し、縮小する。

 大西社長は衣料品販売をアパレルに頼らず、独自商品を開発し、利益率を高める「仕入れ構造改革」を推進してきたが、多くの在庫を抱え、特別損失を計上する可能性も出ている。このため商品の仕入れ方法についても抜本的に見直す。5月に予定している決算発表で新規事業の撤退・縮小などの具体案を公表する。

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