存在意義失った「電子会館」 時代の流れに逆らえず…情報発信の主戦場はSNS

【ビジネスの裏側】

 高度経済成長期に家電メーカーの情報発信を支えた「電子会館」(大阪市)が、前身の「ラジオ会館」から数えて60年余りの歴史に区切りをつけた。筆頭株主のパナソニックなど電機大手が3月1日、会館の株式を売却し運営から撤退した。同社の脱家電戦略や、インターネットの普及で会館の存在意義が薄れたためだ。各社の情報発信の場は、ソーシャルメディアに移っている。(板東和正)

 当時は「最先端」

 大阪市北区西天満のオフィス街の一角にある電子会館は、弁護士や税理士らの事務所も入居する古びた雑居ビルだ。ここが、かつては国内最先端の家電の情報発信地だったことを知る人は少ない。

 電子会館は昭和28年2月、松下電器産業(現パナソニック)の創業者、松下幸之助氏が音頭をとり、他のメーカーとともに大阪市中央区に「ラジオ会館」として開業した。36年11月、「電子会館」に名称変更し、現在の場所に9階建てのビルが建てられた。

 当時、市内の建物は3階や4階の低層ビルや木造住宅が中心だった。会館によく訪れていたというOA機器販売会社、エイコーの有松紘八郎取締役は「屋上からは梅田や難波、大阪城など市内が一望でき、ひときわ目立つ建物だった」と振り返る。

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