東芝問題、米のエネルギー政策や雇用に波紋 トランプ氏、国民負担に反発も

 米政府が東芝の再建問題に神経をとがらせるのは、米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の行く末が米国のエネルギー政策や雇用に影響を及ぼしかねないからだ。米政府はWHの原発建設計画の債務保証もしており、米国民に負担が生じる恐れもある。WHが破産した場合は「日米経済対話」への悪影響も懸念される。

 WHは現在、ジョージア州とサウスカロライナ州で合計4基の次世代原発「AP1000」を建設中。米国ではスリーマイル島事故を機に原発の新設が途絶えたが、オバマ前政権は二酸化炭素を排出しない原発の利点を評価し、2012年に約30年ぶりの新設認可を出した。

 エネルギー省は、ジョージア州の原発計画で電力会社の借り入れに対し83億ドル(約9500億円)の債務保証枠を設定。2基の原発で150万世帯の電力を供給し、「建設工事で約4600人、運用が始まれば約750人の仕事を生み出す」と雇用創出効果もアピールしていた。

 しかし、ジョージア州の計画は当初見込まれていた16年の稼働開始がずれ込んでいる。WHの経営難で計画が頓挫すれば、電力供給、雇用、債務保証の面で米国に悪影響が出る。

 トランプ大統領はこれまで原発について目立った発言はしていない。しかし2018会計年度の予算概要では、エネルギー省が債務保証する根拠となった制度の撤廃を宣言。エネルギー技術の開発や商業化には民間の活力を生かすとの方針を示しており、国民負担に反発を示す可能性がありそうだ。(ワシントン 小雲規生)

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