「円高・ドル安」を案じるな トランプ相場の修正は日本の好機だ

 4月からの新会計年度を控え、市場は円高・株安に揺れている。ドルや米国株を押し上げてきたトランプ米政策への過剰期待の剥落がきっかけだが、案じることはない。行き過ぎたトランプ相場の修正は日本にとってもよいことだ。円相場が今後強めに推移すれば、トランプ政権の目を気にせずに日銀は量と金利両面での金融緩和策を継続し、財政との組み合わせで景気拡大基調を持続できる。

 昨年11月の大統領選前後からのドル高・円安は「異常」ともいえる。グラフはアベノミクスが始まった2012年12月からの日米の実質金利差を円・ドル相場と対比させている。実質金利は長期金利からインフレ率(食料を除く消費者物価上昇率)を差し引く。米国マイナス日本が日米金利差だ。

 市場では通常、実質金利の高い通貨は低い通貨よりも価値があるとみなされる。長期金利を押し下げる日銀の異次元金融緩和が13年春に始まって以来、米国の実質金利は日本との差を広げ、円安・ドル高も進行した。15年の年央に実質金利差が縮小し始めると、円高・ドル安に局面が切り替わった。日銀は16年1月下旬にマイナス金利政策を決断、実質金利差を短縮して円高進行を食い止めようともくろんだが不発に。実質金利差の低下は続くが、市場は16年秋からドル高・円安局面に転じた。

 大規模なインフラ投資、大型減税を掲げるトランプ氏の大統領選勝利を受けて、米株式市場が沸き立ち、海外の投資家がドル買いに殺到したからだ。しかし、期待先行の熱狂は必ず冷める。

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