トランプ米大統領だけじゃない 独り勝ちドイツに厳しい視線 「双子の黒字」財政出動に抵抗感強く

 【経済インサイド】

 「米国第一主義」を掲げるトランプ米政権の通商政策で、日中と並び欧州で圧力を受けるのはドイツだ。「保護主義」に対抗し、自由貿易の旗振り役として期待もかかる。ただ、一方では経常収支と財政の「双子の黒字」を誇る欧州経済の牽引(けんいん)役に厳しい視線を向けるのはトランプ米大統領だけでもないのが実情だ。

トランプ政権を牽制

 「保護主義は短期的な利益をもたらすかもしれない。だが、競争の欠如が技術革新に悪影響を与え、結局は不利益となる。自由で公正な貿易が重要」。メルケル独首相は4月初めの演説でこう強調した。名指しはしないが、トランプ政権を改めて牽制(けんせい)したとみられている。

 トランプ政権はこれまで日中と合わせ、巨額の対米貿易黒字を持つドイツも批判。政権幹部はドイツがユーロ安を誘導しているような発言もし、3月には独日など8カ国・地域の鉄鋼製品への反ダンピング(不当廉売)関税導入、日中独などへの貿易赤字の原因調査の開始を決定。4月に発表された外国為替報告書では、不均衡是正へ財政政策による内需拡大を独側に求めた。

 米国の動きに独国内の不満は強い。「米国の貿易赤字の理由は国外だけにあるのではない」(ツィプリース経済相)と政府は米側にも原因はあると指摘。「独製品の人気は誰も批判できないはず」との意見のほか、米国内の雇用に貢献している独側の対米投資を“武器”に交渉すべきだとの強硬姿勢もある。

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