工場内にも「水素社会」 トヨタが「ハイブリッド発電システム」実証実験 CO2排出ゼロ目指す

 【スゴ技ニッポン】

 トヨタ自動車が燃料電池(FC)の活用を工場に広げている。4月に元町工場(愛知県豊田市)で、発電時に二酸化炭素(CO2)を排出しないFCを活用した「ハイブリッド発電システム」の実証実験を開始した。元町工場は部品などを運ぶフォークリフトのFC化も進めており、2050年に工場からのCO2排出ゼロを目指す。

 元町工場で稼働したのは、FCの一種「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」を採用した発電システム。イオンの移動で電流を生じる「電解質」にセラミックスを使い発電効率は一般的に45~65%と、燃料電池車などに使われる「固体高分子形」(35~40%)を大きく上回る。一方で、作動温度が700~1000度と高温で、本格的な実用化に至っていない。

 トヨタは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環として、出力が250キロワットのシステムを三菱日立パワーシステムズなどと共同開発した。元町工場の自家発電用として運用し、エネルギー効率や耐久性など実用性を検証する方針だ。

 システムはSOFCと、小型のガスタービンの2段階で発電する「ハイブリッド」型だ。まず、SOFCは天然ガスを改質して燃料となる水素と一酸化炭素を取り出す。これに空気中の酸素を送り込み、化学反応させることで発電する。反応で排出するのは水などのみで、CO2を抑えることができる。

 次に、ガスタービンにSOFCで使用しなかった水素など排燃料を送り込み、燃焼させて回転させることでも発電する。2段階合わせた発電効率は55%と従来のシステムを大きく上回る。

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