ロシア ネットへの圧力を強化 LINEなどを閉鎖 監視強化の思惑か

 【モスクワ=黒川信雄】ロシア政府が、情報の発信や共有ができる通信アプリへの圧力を強めている。4月には「LINE」など複数サービスを閉鎖。6月末には国内で600万人が利用する「テレグラム」に閉鎖を警告した。当局は違法行為の取り締まりを主張するが、来春の大統領選を前にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の監視を強化したい政権の思惑も垣間見える。

 テレグラムはロシアの企業家、パベル・デュロフ氏(32)が2013年に創設し、拠点をドイツ・ベルリンに置く。露通信監督当局は6月23日、ロシアで事業登録をしなければ国内でのサービスを停止させると発表。さらにロシア連邦保安局(FSB)は26日、4月に露西部で起きた地下鉄爆破テロで犯人がこのアプリを利用していたと主張した。政権の統制下にあるテレビ局も、一斉にテレグラムに批判的な報道を展開した。

 露国内で事業登録をすれば、テレグラムは利用者に関する情報を露国内のサーバーに保存し、治安当局の要求に従って通信内容などを提出する義務を負う。テレグラムは、当局の圧力を受ける格好で6月末に登録に同意した。引き続き個人情報の提供には応じないとしているが、抵抗は困難とみられる。

 ロシアの通信当局は4月には、日本の通信アプリ「LINE」や、「ゼロ」「Vチャット」「ブラックベリー・メッセンジャー」などのサービスを相次ぎ閉鎖。これらの露国内の利用者はわずかで、当局は規模の大きいサービスの閉鎖を視野に、利用者の反応を探ったとの観測が出ていた。

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