「壊し屋」アマゾン ホールフーズ買収の衝撃

 昨今の米国は「健康」ブームだが、米食品スーパー、ホールフーズ・マーケットはその先駆けである。70年代に大学を中退してヒッピー同然の生活をしていたジョン・マッキー氏が、小さな自然食品店を開業したのが始まりだ。

 漂白や防腐剤が横行していた当時の米国では斬新な発想で、有機栽培の野菜を陳列するスーパーとして台頭。全米で400以上の店を構える大手小売りとなった。

 ホールフーズは立派な企業市民でもある。地元産の野菜を優先的に購入し、生産者の有機栽培を支援する上、収益の一部を地元に還元する。従業員に対する福利厚生は厚く、最低賃金引き上げの議論とはほぼ無縁の存在だ。

 そんな小売業界の「カリスマ」が6月に衝撃の発表をした。米電子商取引(EC)最大手アマゾン・ドット・コムに買収されるという。

 今や、どの食品スーパーでも有機栽培の野菜や健康食品を置いている。米小売り大手ウォルマート・ストアーズ周辺では競争が激化し、ここ数年の増収率は減速気味だ。年率15%で成長するEC市場での存在感も薄い。

 対するアマゾンはECのシェアが4割を超える。利用者が買い物をする場合、アマゾンで検索する。価格決定権も握っているのだ。会員プログラム「プライム」がEC事業を引っ張り、商品や供給網の「質」にこだわる富裕層やミレニアム層が中心をなす。ホールフーズと重なる客層だ。

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