東芝危機 東芝メモリ売却 契約9月期限 東芝、交渉難航で窮地続く

 東芝が平成29年3月期決算をようやく確定させた。上場廃止の危機はひとまず回避したが、窮地を脱したわけではない。来年3月末に負債が資産を上回る債務超過を解消できなければ、やはり上場廃止となる。債務超過を解消するには半導体子会社「東芝メモリ」を今年度中に売却する必要があるが、産業革新機構を軸とする「日米韓連合」との交渉は難航している。

 「来年3月末までの譲渡完了に向け最善を尽くす」

 東芝の綱川智社長は、10日の会見でこう強調した。ただ、前提となる契約締結の期限については「可及的速やかに」と述べるにとどめた。

 東芝は当初、6月28日までに日米韓連合と契約したいとしていたが、既に1カ月半が過ぎている。売却に伴う各国の独占禁止法の審査は半年以上かかるのが通例。年度内の売却完了から逆算すると、8~9月には契約を終えないと厳しい。

 工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)は、売却差し止めを求めて国際仲裁裁判所に提訴している。秋ごろに審理が始まるとみられる仲裁裁で、東芝が勝つ保証はない。

 このため東芝と日米韓連合の間では、差し止められた場合のリスク負担をめぐり意見が対立。革新機構の志賀俊之会長は「折り合いがつかなかった部分について歩み寄った」と語るが、リスクを恐れる東芝はいまだに不十分とみなしており、売却が時間切れとなる懸念は強まっている。(井田通人)

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