国内自動車大手がEVよりもFCV(燃料電池車)にこだわるワケ

 スズキもFCVの市販の可能性を探ろうと、29年3月から燃料電池二輪車の公道走行を始めた。同社の鈴木俊宏社長は、同年12月14日に東京都内で開いた新型軽自動車「スペーシア」の発表会で「発電から電池のリサイクルまで成立しないとEVの普及は難しい」と指摘したほか、車載用電池に使われるリチウムの供給不足が深刻化した場合にEVの製造コストの急上昇を招く課題に言及。「本当に何が一番使ってもらえるのかを見極めたい。(幅広い)選択肢を持っているべきだ」とも述べた。

 29年10月、東京理科大葛飾キャンパスで行われたホンダの八郷隆弘社長の講演後、ある男子学生が「EVとFCVのどちらに注力したいのか」と八郷氏に質問。八郷氏は42年までに世界販売の3分の2をEVやFCVなどを含む電動車にする方針を説明後、「燃料電池のハードルも高いが、それはずっとやり続ける」と誓った。

 世界で脱ガソリン車への動きが急進する中、インフラを含め「守備範囲」を広げなければ各国で異なる商機を取りこぼしかねない。それでもハードルが多い水素戦略が自動車産業を勝利へと導けるのか。その道筋は描き切れていない。(経済本部 臼井慎太郎)

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