航空業界に流れる中国に転職の噂 パイロット大量退職「2030年問題」乗り切りに奨学金

 ちなみに、操縦士育英会設立メンバーの6団体の中で最安値は、大卒資格取得のない新日本航空の約1300万円(米国訓練費4万3000ドル、国内訓練費約805万円)で、最高値は崇城大の約1960万円だ。千葉科学大危機管理学部の山田光男教授は「入試時に各家庭からの問い合わせで多いのが訓練費と、それ以外にいくら掛かるかということ。また、経済的な面で訓練そのものを諦める学生がいるのも事実」と話す。夢をかなえる原資とはいえ保護者には高いハードルだ。

 一方で、経済的支援の枠組みは小さい。私大パイロット養成コース学生を対象にした奨学金は、JALが15年度に開始した奨学給付金制度「日本の翼 育英奨学金」のみ。年間上限30人で500万円が給付される。同社グループへの就職義務はなく、同社によれば給付1期生(17年3月卒)のほとんどが航空会社にパイロットとして採用された。

 17年1月1日現在、国内民間航空会社18社のパイロット(機長と副操縦士)は6389人。このうち45~52歳をピークに45歳以上が54%を占め、30年に大量退職が始まる「パイロット2030年問題」を抱えている。一方、国内LCC4社では506人が勤務するが、11~13年度に相次ぎ設立されたLCCは即戦力確保を優先したことで、今後数年で退職となる60歳以上が18%を占め、既にパイロット危機に直面中だ。

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