未知の分野開拓 原発事故機に廃炉ロボットの可能性追求 福島・広野町のエイブル

【スゴテク企業】

 「電力系の会社勤めで体得した知識を生かして、社会の役に立ちたい」。一念発起した佐藤順(ゆき)英(ひで)さん(61)は平成4年4月、一人で会社を立ち上げた。「不可能を可能にする」。be able to=can(できる)。社名に、この信念を込めた。

 原発など発電プラントのメンテナンスを中心に手掛け、活動の領域を徐々に広げた。創業から約20年。3・11は「さらに業態を拡大できると思った矢先のことだった」と佐藤社長は振り返る。

 震災直後から、東京電力福島第1原発への対応に当たり、ロボット開発にも取り組んだ。大手企業が3年かかるといったポンプ交換用のロボットを、わずか半年で完成させた。佐藤社長はいう。「ロボットは未知の分野。でも、当社には多くの作業員がいて、現場の事情を熟知している。この情報の積み重ねが、大手にはできないことを『可能』にした」

 ロボット事業は、廃炉関連に限らず「一般産業や農業用、省力化ロボットなども開発中」という。5年後には、売上高の30~50%を占める主力事業に育てる考えだ。

 震災を機に、再生可能エネルギー事業にも力を注ぐようになった。来年には木質ペレットを燃料とした国内最大級のバイオマス発電所建設を開始、平成34年の稼働を目指す。出力は11万2千キロワットで、いわき市の全世帯分をまかなえる電力量に相当するという。また、ヤシの実(パーム)油を使った発電所は2020東京五輪に合わせて稼働を始めるという。(福島支局 竹中岳彦)

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