「最強トヨタ」が春闘先導役からの“降板”を宣言したワケ

 【経済インサイド】

 トヨタ自動車の平成30年春闘は、異例づくしの展開となった。3月14日の集中回答日の前日まで労使交渉の決着がもつれ込んだ上、経営側は賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)の具体額を示さず、相場先導役からの“降板”を宣言した格好だ。車両の電動化など「100年に1度の大転換期」に対して危機感を抱き、前例にとらわれずに対処するトヨタの「強さ」が浮き彫りにされた一方、今後、避けられそうにない「火種」も垣間見えた。

 「役員や部長が(労働組合員に)『何でそんなことを言ったんだ』というようなことがあったら、許さないからな」

 2月28日、愛知県豊田市のトヨタ本社。春闘で中心的な交渉の場となる第2回「労使協議会」で、議長を務める河合満副社長が経営幹部を一喝した。専従者を除くと、労組側の出席者にとって経営側の面々は上司だ。本来なら思い切った発言がしにくい状況だが、河合氏や「真剣に議論を尽くしてほしい」と求める豊田章男社長らの思いが伝わり、率直な意見交換がなされたという。労組側からは「会議が多すぎる」「意思決定のスピードが遅い」など、経営側への辛辣(しんらつ)な指摘が相次いだ。

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