東芝メモリ審査、米中摩擦で膠着 売却撤回も視野に

 東芝が経営再建に向け、喫緊の課題と位置づける半導体メモリー子会社「東芝メモリ」の売却が膠着している。中国当局による独占禁止法の審査は「作業自体は終わったが、米中貿易摩擦の影響で最終承認が下りない」(関係者)というのだ。東芝は複数の代替案を検討しており、審査通過が見通せない状況が続けば、売却撤回に傾く公算が大きい。

 東芝は財務改善のため、東芝メモリを米投資ファンドのベインキャピタルが主導する「日米韓連合」に2兆円で売却する方針で、今年3月末の完了を目指していた。しかし、昨年12月に始まった中国当局の審査は4カ月の期間内に結論が出ず、5月末までの延長審査に突入。「追加資料の要求などもないまま、承認が延び延びになっている」と東芝関係者は頭を抱える。

 こうしたことから、東芝は5月末までに承認を得ることをメインシナリオとする一方、「売却撤回と両にらみで準備する」(東芝関係者)ことを決め、主要取引銀行にも伝えた。承認が得られない状態が続けば、売却益を銀行への資金の返済や成長投資に振り向ける計画が狂うからだ。東芝メモリの投資判断にも影響が出て、「メモリーの顧客に不安が広がる」(関係者)ことも懸念されている。

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