カナダ揺さぶるトランプ氏 「NAFTA」名称見直しも?

 NAFTA再交渉は、トランプ米政権がメキシコとの2国間で先行合意し、今後はカナダの出方が焦点となる。米国は自動車輸入制限をちらつかせ、3カ国の最終合意に向けカナダに歩み寄りを迫る。

 「NAFTAという名前の響きが良くない。(協定で)米国が長年、傷つけられてきたからだ」。トランプ大統領は27日の合意発表で、「最悪の協定」と述べてきたNAFTAを改めて攻撃し、名称の廃棄すら辞さない姿勢をみせた。

 焦点となった自動車関税をゼロとする基準「原産地規則」をめぐり、域内の部品調達比率を高める米国の要求をメキシコがのんだのは、米政権が検討中の自動車・部品への追加関税で「適用対象となるのを避けるためだ」(通商専門家)。トランプ氏はカナダにも関税を課すと示唆し、米メキシコの合意内容で妥結するよう圧力をかける。

 一方で、米国は対メキシコとの協議では強硬に要求してきた「サンセット条項」を最終的に取り下げた。加盟国が5年ごとに合意しない限り協定が自動失効する仕組みで、メキシコとカナダは強く反発。米国は6年ごとに協定の再評価を行う内容に後退させた。

 こうしたトランプ政権の硬軟織り交ぜた交渉は、11月の中間選挙を見据えたものだ。鉄鋼などの輸入制限や知的財産権侵害をめぐる中国への制裁発動は反発も招いており、通商分野での政権の成果に結び付けたい思惑があるとみられる。

(ワシントン 塩原永久)

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