金融緩和の出口戦略策は日銀に託される 拙速なら景気冷や水 市場は実現性を疑問視

 安倍晋三首相が大規模な金融緩和策を手じまいする「出口戦略」に言及したことで、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は具体的検討に向けた“ボール”を投げられた形だ。背景には金融機関の収益力悪化といった緩和に伴う副作用が蓄積し、地方銀行の不祥事を誘発するなど問題が顕在化した現状がある。ただ、拙速に踏み出せば円高や株安を招き景気に冷や水を浴びせる恐れがあるため、市場は実現性を疑問視している。(田辺裕晶)

 「緩和についていつどう判断するかは、黒田さんが判断する」。安倍首相は14日の討論会でこう述べ、自民党の次期総裁任期の3年以内に出口戦略の道筋を付けるべく日銀が主体的に検討を進めるよう促した。

 6年目に入った大規模緩和で短期金利はマイナス0・1%、長期金利は0%程度に抑えられ、金融機関の貸し出し利ざや(貸出金利と預金金利の差)は縮小した。海外に活路を開けない地銀の経営は特に厳しく、東京証券取引所などに上場する地銀80社の平成30年4~6月期決算は全体の7割超が減益か赤字に陥った。

 収益減少に苦しむ一部地銀が過度な経営目標を現場に押しつけた結果、スルガ銀行の不正融資問題などにつながった。日銀は7月末の政策修正で長期金利の上昇を一定程度認めるなど副作用対策を施したが、収益環境の改善には直結せず不満は解消されていない。

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