滋賀県「商店街丸ごとホテル」始動 町屋改装でシャッター街に賑わい取り戻せるか

【経済インサイド】

 京の都に行く東海道五十三次の最後の宿場町として栄えた滋賀県大津市で、伝統的な町家を観光資源に生かす取り組みが本格的に動き出す。木造注文住宅を設計・施工する「木の家専門店 谷口工務店」(滋賀県竜王町)が中心市街地の空き町家を改装したホテル7棟がオープンした。近隣の飲食店や商店も巻き込んだ“商店街丸ごとホテル”として観光客を誘致、昔のにぎわいを取り戻す。空き家の解消と地元商店街の活性化につながると大津市も注目する。

■地方創生の突破口に

 「大工が改装した町家が呼び水となって企業や人が来るようになる。地方創生の突破口になる」。旅館業法の免許を取って「HOTEL 講(こう) 大津百町」7棟を立ち上げた谷口工務店の谷口弘和社長はこう語り、木造家屋の空き町家を大工が改装し、人通りがまばらなシャッター街をホテルとしてよみがえらせるプロジェクトの意義を強調した。かつては憧れの存在だった大工の地位と技能の向上という狙いもある。

 ホテル7棟はJR大津駅から徒歩10分ほどのアーケード商店街や旧東海道沿いに点在する。いずれも2階建てで、民家や総菜屋、お茶屋などだった町家を改装した。

 このうち5棟は一棟丸ごと貸し切るタイプ。室内は高級北欧家具をしつらえ、誰にも邪魔されずゆっくりくつろげる。浴室やミニキッチンがあり、コンドミニアムのように食材を持ち込んで調理することもできる。残る2棟は客室タイプで、一人旅に最適という。初年度の宿泊客は5600人を見込む。3年目には6600人、このうち外国人は3割に達すると予想する。

 今春にプレオープンしたが、利用客は「京都からわずかしか離れていないのに町家の風情を堪能できた」「商店街を散歩してみると、ユニークなお店が多く、新たな発見と出合えた」と評価。想定通り、ホテルとその周辺の商店街を行き来していることが分かった。

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