追加緩和要求を牽制 日銀・桜井審議委員

 日本銀行の桜井真審議委員は11日、秋田市内で講演し、目標に掲げる2%の物価上昇目標を達成する見通しが立たない中、「目標の早期実現を図るため、やみくもに過大な需要超過を政策的に作り出すことは、マクロ経済の不均衡拡大や金融システム上の不安定性を高める危険性がある」と指摘した。物価上昇を後押しするため追加の金融緩和を打ち出すよう求める一部の政策委員を牽制(けんせい)した形だ。

 桜井氏は物価上昇には想定したより時間がかかるとしながらも、企業の省力化投資などによる生産性向上が物価を下押しする効果が薄らげば、上昇率は徐々に高まると指摘。2%目標の達成は可能だと説明した。

 一方、桜井氏は金融機関が収益確保のため進めた高リスクの投資が外部環境の変化で回収できなくなり、「経営体力が毀損(きそん)することで(世の中にお金を流通させる)金融仲介機能が適切に発揮されなくなる」恐れがあると指摘。日銀も今後対応を促す考えを示した。

 日銀の大規模金融緩和による超低金利の長期化で、金融機関は貸出業務の利ざや(貸出金利と預金金利の差)が縮小し、収益力が悪化。リスクの高い外国債券に手を出して損失を計上する銀行も出ている。

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