逆風が止まらない 控えられる石炭火力発電への投融資

【ビジネス解読】

 18世紀後半に英国で始まった産業革命は世界の経済活動を一変させた。そして、その原動力は石炭だった。時は過ぎ、時代は変わり、今や石炭は世界の投資家から忌み嫌われる存在になりつつある。

 三井住友信託銀は7月、今後建設が検討される国内外の石炭火力発電計画への投融資をやめる方針を明らかにした。日本生命保険も環境や社会問題に配慮した「ESG投資」の枠を増やす一方で、石炭火力発電計画については三井住友信託と同様の方針を表明している。第一生命保険も海外の計画には取り組まないと社内ルールを変更した。

 三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの三大メガバンクもこれらの投融資を制限する方針を打ち出している。

 風当たりは強まる一方

 地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は、世界に低炭素化、脱炭素化を求めている。二酸化炭素(CO2)の排出量が多い石炭への風当たりは強まる一方だ。

 とりわけ、環境規制の厳しい欧州では顕著だ。フランスのBNPパリバやドイツ銀行など主要銀行が石炭火力計画や石炭採掘への新たな投融資を停止、保険大手の仏アクサや英ロイズ、スイスのチューリッヒ保険は石炭関連企業への投資打ち切りを進める。

 石炭への逆風は投融資にとどまらない。スイスの再保険大手、スイス・リーは、燃料用石炭(一般炭)事業の割合が全体の30%超の企業には、損害保険や再保険を提供しないという。ドイツ保険大手、アリアンツも一般炭採掘または石炭火力発電事業だけを行っている事業者には損害保険を提供しないと発表した。アリアンツはさらに40年までには、石炭関連の保険をゼロにする方針も打ち出している。米国でもJPモルガン・チェースが新たな炭鉱開発計画に資金提供しないとしている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ