外食大手、減益相次ぐ 人件費高騰など4重苦でも値上げできないジレンマ

【経済インサイド】

 外食大手が、平成30年8月中間決算を相次いで発表したが、牛丼大手の吉野家ホールディングス(HD)が中間期としては8年ぶりの赤字転落となるなど、軒並み業績が悪化した。決算説明会で各社のトップから共通して聞かれるのは人件費や原材料費の上昇だ。本来ならば、これらのコスト上昇分を吸収するために値上げしたいところ。だが、軽減税率の導入によるコンビニ弁当など中食との競争激化や消費者の低価格志向が続く中では容易ではない。「人件費高騰」「原材料高」「軽減税率」「消費者マインド」という4重苦のなかで、外食産業の苦境が続いている。

人気メニューも休止

 「人気はあるのだが、仕方ない」

 吉野家HDの河村泰貴社長は10月5日の決算会見で、人気メニュー「鶏すき丼」の販売休止の方針を公表した。11月にも休止する。鶏すき丼の好調は増収要因のひとつだったものの、人件費の上昇が想定以上で、「(鶏すき丼は)店舗の仕込み時間削減を迫られる中で、作業の手間が多いメニュー」(河村社長)。皮肉にも休止を余儀なくされた格好だ。

 中華料理・居酒屋チェーン「日高屋」を展開するハイディ日高では社員全員の基本給を4月に、一律に月額1万円引き上げるベースアップ(ベア)を実施。年間1億円超のコスト増加となる計算だ。これに加えて、アルバイトの時給も一律20円引き上げた。

 人材確保策の一環で、島需一常務は「労働人口が減る中で人件費が下がることはない」と言い切る。

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