富士通「AI審判」の勝算は 目標1千億円、東京五輪にも

【経済インサイド】

 華麗でダイナミックな体操競技の採点を、審判員に代わって人工知能(AI)が担う時代がやってきた。国際体操連盟(本部=スイス・ローザンヌ、渡辺守成会長)は、2019年に独シュツットガルドで開催する体操世界選手権から、富士通が開発した「採点支援システム」を導入する。田中達也・富士通社長は「今後10年間で累計1千億円のビジネスに伸ばしたい」とぶち上げる。

ジャッジの精度向上

 「東京五輪・パラリンピックでは、ロボットが採点するようになればいいね」

 富士通の採点支援システムの開発は、体操連盟の渡辺会長のこんな冗談話がきっかけだったという。実現へ向け両者は昨年10月に提携し、共同開発をスタート。大学生選手の演技や過去の大会の記録など、画像データ数百万件を活用して完成したシステムが、今年11月20日にお披露目された。

 同システムは、近赤外線レーザーを1秒間に200万回照射して選手の身体の動きを三次元データ化し、AIが技のデータベースと照合してでき映えを瞬時に判定・採点する仕組みだ。

 導入のメリットは、いくつも挙げられる。

 まず第一に、判定の正確性の向上。ひねりの回転数や倒立の角度など、選手の身体の動きを客観的な数値データに変換するため、採点競技に付き物の「審判の公平性」という課題が解消される。高速で高度に進化した各種の技も容易に見極められるようになり、「100メートル走と同様の明確な判定」(渡辺会長)が導かれる。

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