東京オートサロンに国内活性化のヒント カギは顧客目線の車造り

 ■伸び悩む国内市場

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会によると、18年の国内新車販売台数(軽を含む)は前年比0・7%増の527万2067台と2年連続で増加した。ただ、ピークだった1990年の約780万台と比べると、7割近くの水準に落ち込んでいる。

 今後とも人口の減少や若者を中心に進む車離れを背景に市場が伸び悩む可能性が高いだけに、メーカー各社は「購入して走りたくなる車」を消費者目線で開発する努力が一段と求められつつある。スバルの中村知美社長は「(メーカーからの)価値の押し売りではいけない」と指摘。トヨタの友山茂樹副社長も「人が車に寄せる温かい感情を失えば、車が無味乾燥なつまらない存在となる。それを呼び覚ますことが使命だ」と気を引き締める。

 自動車業界に自動運転やシェアリングに象徴される「100年に一度」の大変革の波が押し寄せる中、各社は事業内容の転換を迫られている。一方で、メーカーの存在価値を維持すべく本業で、車ファンの関心をつなぎ止める課題も無視できない。

 KPMGモビリティ研究所(東京都千代田区)によると、同業界で経営や事業に携わる幹部は自動運転が広がる2040年時点でも世界の自動車生産台数の約30%を「自家用車向け」が占めると予測。これに「移動サービス用自動運転車」(24%)と「自家用自動運転車」(23%)、「移動サービス」(22%)が続く。自家用車の比率は20年の40%から低下するものの、長期的にも「マイカー文化」が根強く残るとの見方だ。

 小見門(こみかど)恵所長は「『顧客第一』といいながら自社の技術力のアピールにとどまるメーカーが少なくない」と指摘。車の利用形態が変わっても消費者から選ばれ続けるためにも「顧客と事業者の間にあるギャップを埋めてブランド力を高めるべきだ」と課題を投げかける。(経済本部 臼井慎太郎)

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