東京の鉄道「8両化」の動き、次はどこ?

 東京メトロ南北線は「混雑率が低い」と言われている。しかし最混雑時には駒込~本駒込間で156%となっており、ほかの路線より若干少ない程度である。ただし、朝ラッシュ時以外に乗車しても、感覚としては意外と混んでいる。

 都営地下鉄三田線は、混雑が問題になっており、利用者からもその声が東京都交通局に寄せられている。

 東京の地下鉄や私鉄では、8両編成、10両編成という長編成の路線が多いものの、3両編成から6両編成といったものも多くある。南北線や三田線は、その代表的な存在だ。

東京の地下鉄、混雑率が低下するのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

東京の地下鉄、混雑率が低下するのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

 地下鉄の短編成路線で有名なのは、東京メトロ銀座線や丸ノ内線といった、第三軌条方式の路線だろう。これらの路線は、他路線に乗り入れることもなく、列車の運行は路線内で完結している。それゆえ押し寄せる乗客には、列車本数の増大によって対応するしかない。

 先に挙げた東京メトロ南北線、都営三田線は、6両編成の路線となっている。いまはまだ東急目黒線に乗り入れるなどの関係で増発は難しく、またコストの面などもあるため、これまでは混雑対応が難しい状況となっていた。

 東京23区エリアの主な私鉄の短編成路線では、東急池上線・多摩川線、東急大井町線、京王井の頭線などがある。東急池上線・多摩川線では混雑時には列車本数を増やし、京王井の頭線ではラッシュ時に急行を走らせない。東急大井町線では、混雑する急行は7両編成に、各駅停車は5両編成にしている。

 短編成の路線でも、ラッシュ時には列車本数を増やし、乗客に対処するというのが一般的だ。だが、編成増で対処する路線も現れた。東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線である。これらの路線は、相模鉄道への乗り入れが決定している。

 8両化への動き

 東京都交通局は昨年、都営三田線の8両化を決定し、相互乗り入れ先の東急目黒線や、関係する東京メトロ南北線、埼玉高速鉄道はどうするのかが問われていた。また、それらの路線は相模鉄道への乗り入れにあたってどうするのかも注目を集めていた。相模鉄道は20000系という東急線内直通車両を開発し、現在は10両編成であるものの、8両への減車も対応可能だという。

 今年の3月、東京メトロは中期経営計画「東京メトロプラン2021」を発表し、その中で南北線の8両化について発表している。同じころ、埼玉高速鉄道も8両化を発表した。ほぼ同時期に、東急電鉄が目黒線8両化を発表している。東急は併せて、新型車両3020系を導入する。当面は6両で運転するものの、22年度上期に8両化を既存の車両も含めて行うという。もちろん、その他の路線も時期を合わせて8両化を行う。相鉄との直通は、22年度下期となるという。

 相鉄への直通時期に合わせ、混雑しているこれらの路線を8両にするということになる。

 できあがっていた設備

 鉄道の場合、ホームの長さに余裕がなければ、長編成にすることは不可能だ。例えば東京メトロ銀座線など、戦前には余裕をもってつくられていた路線が、いまや窮屈になっている状況でも、地下構造物の大規模な改築などができないため、増発するしかないのである。

 その点、東京メトロ南北線や埼玉高速鉄道、都営三田線は完成時から8両編成で運行することに対応していた。そのぶんのホームの長さがあるのだ。また、東急目黒線は奥沢の8両化対応工事が終わりさえすれば全駅で8両編成の列車に対応できることになる。

ホームの長さに余裕がなければ、長編成にすることは不可能(写真提供:ゲッティイメージズ)

ホームの長さに余裕がなければ、長編成にすることは不可能(写真提供:ゲッティイメージズ)

 これらの路線には、いまでは鉄板や柵で線路に侵入できないようにしているホームが多いものの、それを外してホームドアをつければいいだけの状態になっている。また南北線では、フルスクリーンタイプ(天井近くまでスクリーンで覆われたもの)を8両分、各駅に設置しており、実際に列車を走らせるための対応工事さえすれば大丈夫である。

 乗車人員などの関係で6両編成になっていたこれらの路線も、多くの人が利用し混雑が目立つようになり、相鉄との直通でさらに人が増えることが見込まれるため、既存の設備をフル稼働させることになり、実力を発揮させられるようになった。

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