9月合意なるか 日米貿易交渉、21日から閣僚級で

 日米両政府は21日から米ワシントンで開く日米貿易交渉の閣僚級協議で、詰めの議論に入る。茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が2日間の日程で、自動車関税の撤廃や重要農産品の関税引き下げ幅などを話し合う。日米は首脳会談が開かれる予定の9月に一定の合意に近づきたい考えだ。

 閣僚級協議では農産物や工業製品の関税のうち、自動車や牛肉、乳製品など両国の主張に差があるものを中心に議論する。13、14日の事務レベル協議で、工業品や農産品の具体的な品目に関する議論を前進させており、さらなる進展が期待されている。

 24~26日にはフランス南西部ビアリッツで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせて日米首脳会談が行われる見通し。ここで合意に向けて、協議加速を確認するもようだ。米国が工業品をめぐる交渉で柔軟姿勢をみせれば、日本側の農産品の市場開放とセットにした決着点に近づく可能性がある。

 日米はその後、9月下旬の国連総会に合わせた首脳会談も予定しており、双方とも「大枠合意を打ち出せれば」(政府関係者)との思いは強い。

 日米が大枠合意に前向きになっている背景にあるのは、来年に大統領選を控える米国側の事情だ。

 9月に大枠合意が実現すれば、日本では正式合意や署名などを経て、秋の臨時国会に条文を提出し、批准の手続きをとることも視野に入る。しかし9月の大枠合意がなければ、批准は来年の通常国会まで持ち越され、発効が来年11月の米大統領選の直前になってしまいかねない。農家からの支持を固めたいトランプ大統領は一刻も早く日本との早期合意の成果を打ち出し、格好のアピール材料としたい考えだが、これでは遅きに失する可能性もある。

 ただ、大枠合意に向けては関税分野だけでなく、物品貿易のルールも策定する必要があり課題は多い。このため9月の首脳会談では大枠合意に踏み込まず、さらなる協議の余地を残す可能性もある。(飯田耕司)

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