リニア工事でJR東海と静岡県が意見交換 国交省が初同席

 リニア中央新幹線工事による大井川の流量減少問題をめぐり、静岡県が設置した専門部会の委員とJR東海との意見交換会が20日、県庁で行われた。今回は同県の川勝平太知事の要望を受け、国土交通省の担当者が調整役として初めて同席した。21日まで公開で意見を交換する。

 この日の議論は水や地質の専門家である委員とJR東海が直接やりとりする形で行われ、国や県の関係者は静かに見守った。JR側は、トンネル湧水の上限値を「緩和することは考えていない。沢枯れなどが発生すればより厳しくすることを検討する」と明言。さらに大井川の中下流域で地下水が減るなどの影響があった場合は「JR東海がリニア工事との関連性の有無を調査する」と約束するなど、踏み込んだ回答をした。

 これまでの同県と同社との協議では、県の質問と同社の回答がかみ合わず議論が停滞する場面が多かったが、この日は国の担当者の同席もあってか順調に進行。森下祐一委員(静岡大学教授)は「ある程度前進した」と受け止め、JR側の回答に一定の理解を示した。

 終了後、国の担当者は「科学的な議論がなされていると感じた。本日は状況を聞いた。(今後は)状況に応じて検討の促進に努めたい」と感想を話した。今後は、大井川の利水関係者に同社の流量減少対策がどこまで理解を得られるかがポイントとなる。

 リニア新幹線工事は、大井川の流量減少対策をめぐって同県とJR東海が対立しているため静岡工区が未着工で、令和9年予定の開業の遅れが懸念されている。

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