経営統合して6年…多彩なおいしさ追求! 豆乳ヨーグルト「飲料、レモンに加えて事業の柱に」 ポッカサッポロフード&ビバレッジ・岩田義浩社長

トップ直撃

 レモンやスープ、男性の顔が描かれた缶コーヒーでもおなじみだ。ポッカとサッポロ飲料が経営統合して6年あまり、会社の「顔」である社長は、豆乳ヨーグルトなど新しい市場にもチャレンジしている。(中田達也)

 --レモンがブームですね

 「1957年の創業時からレモンを扱っているレモンのパイオニアです。無添加のレモン果汁であるポッカレモンも50年近いロングセラーです。飲料ではキレートレモンやキレートレモンスパークリング、ゼリーやレモン酢などの商品展開をしています」

 --販売も順調ですか

 「ポッカレモンは昨年2ケタの伸びがありました。もともと唐揚げやサンマの塩焼きにかけるなど調味が中心でしたが、レモンサワーだけでなく、水や炭酸水に入れるなどいろんな用途でお使いいただいているのが好調の要因だと思います。減塩したい人にレモンを使っていただくことも提案しています」

 ◆農場開設

 --瀬戸内のレモンもブランド化しています

 「昨今の健康ブームが大きいでしょうね。ただ、ニーズが伸びていますが、農業の担い手が不足していて国産レモンが足りないという問題があります。そこでこの春から広島県の大崎上島町に畑を借りてレモン農場をスタートしました」

 --目指すところは

 「レモンといえばポッカサッポロだね、と何でもご相談いただけるような会社になりたいと考えています」

 --豆乳ヨーグルトも手がけています

 「原豆乳を発酵させて豆乳ヨーグルトにして詰めるところまで一貫生産する工場を群馬県に竣工(しゅんこう)しました。大型容器の商品や飲むヨーグルトを発売しています。牛乳のヨーグルトに比べると市場規模はまだまだ小さいですが、その中におけるシェアとしてはトップクラスとなっています」

 --豆乳ヨーグルトの魅力は

 「世界の人口が増加するなかで、食物環境や生態系を考えたときに、植物性の乳やヨーグルトの意義は大いにあると思います」

 --食べやすさも重要ですね

 「体にいいといわれてもまずいと長く続けられません。おいしく召し上がって健康につながる商品にしています。フルーツと一緒でもいいですし、シリアルやはちみつと召し上がっていただくのもおすすめです」

 --牛乳のヨーグルトと豆乳のヨーグルト比率は

 「いま牛乳と豆乳の比率は100対10ぐらいですが、牛乳ヨーグルトと豆乳ヨーグルトとなると100対0・5ぐらいです。これをまずは牛乳対豆乳ぐらいの比率にもっていきたいですね。それぐらいの可能性はあると思います。飲料、スープ、レモンに加えて事業の柱にしたいと考えています」

 --業界初はこれまでにたくさんあるそうですね

 「夏はコールド、冬はホットの自動販売機を開発しました。缶にスープを入れて提供することもパイオニアです」

 --「顔」の缶コーヒーもおなじみです

 「ポッカコーヒーの顔は変遷があるのですが、現在のデザインは創業当時のものに戻しています。味の面では砂糖が当時のものよりだいぶん少なくなっています」

 ◆統合6年

 --海外展開は

 「1977年にシンガポールに工場を作って飲料事業を展開しています。シンガポールではお茶や果実のジュース系飲料の分野ではトップシェアで、ポッカの存在感は大きいですね」

 --ポッカとサッポロ飲料が統合した効果は

 「チャレンジングな会社同士が一緒になり、よりチャレンジングになりました。新しい『おいしい』を生み出しつづける、というのがビジョンですが、60年超の歴史で培ってきたことをさらに強めるために、新たなイノベーションで、付加価値の高い商品を世に問うていきたいと思います」

 ■営業マン時代はゴルフの朝練

 【浅草】東京・浅草出身。「ほおずき市や朝顔市があったり、縁日やお祭りが楽しかったという思いがあります」

 【営業】サッポロビールで最初の10年は営業マンとして働いた。「カラオケやゴルフについても、当時の上司からかなり厳しく指導されました。ゴルフは道具を買って朝練習してから来ていました。営業の後は戦略部門、企画マーケティングが多かったですね」

 【ドラフトワン】サッポロビールで新ジャンル「ドラフトワン」の立ち上げに携わった。

 「2003年にドラフトワンの原形が開発部門からできてきて、テスト発売をやってみないかと言われました。エンドウたんぱくからできたお酒ということでしたので、どう売っていこうか議論して、イベントで飲んでいただいたりしたところ、全国展開につながりました。物を売ってお客さんに喜んでいただく、メーカー冥利に尽きる得がたい経験でした」

 【レモン】自宅にはレモンの木がある。「レモンの花が咲いて、小さな実がなりつつあります」

 【Jリーグ】趣味はサッカー観戦。「地元なので川崎フロンターレのサポーターです。2位が多く“シルバーコレクター”と呼ばれていた時代から応援していますが、一昨年に優勝したときはたいへんうれしかったですね。最近は強くなって席が取りにくくなりました」

 【テレビ番組】「お笑いをよく見ます。サンドウィッチマンや陣内智則さんが好きですね」

 【お酒】「ビールならずっと飲めますが、最近は途中からレモンサワーに切り替えています」。レモンサワーは、「標準的なさっぱりしたものが何杯もいけるので好きですね」。

 【健康法】休日にウオーキングをしながら店舗視察をすること。「短パンとTシャツのようなラフな格好で回っています。その後に天然炭酸水のゲロルシュタイナーにポッカレモンをたらして飲むのが最高です」

 【いまも読み返す一冊】渋沢栄一の『現代語訳 論語と算盤』。

 【座右の銘】《夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし》「吉田松陰の言葉です。会社人生も後半戦になると、自分の夢って何だったんだろうと考えますね」

 もう一つは《五ゲン主義》。「現地、現物、現時点に、原理、原則を加えたものです」

 【会社メモ】サッポロホールディングス(HD)の子会社で、グループの食品・飲料事業を担う。本社・名古屋市。サッポロ飲料は1957年1月、ポッカコーポレーションは同年2月設立。2009年サッポロHDとポッカが資本提携、11年サッポロHDの子会社に。13年1月ポッカとサッポロ飲料が経営統合し、ポッカサッポロフード&ビバレッジとして事業開始。18年12月期の売上高818億円。従業員数1006人(18年12月現在)。

 ■岩田義浩(いわた・よしひろ) 1961年8月21日生まれ、57歳。東京都出身。慶応大法学部卒業後の1984年サッポロビール入社。営業本部営業担当部長、九州本部マーケティング部長を経て2011年サッポロホールディングス経営戦略部長、14年同社取締役兼グループ執行役員。16年ポッカサッポロフード&ビバレッジ取締役専務執行役員、17年1月サッポロホールディングス常務グループ執行役員兼ポッカサッポロフード&ビバレッジ代表取締役社長に就任。

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