“パウダースノーの聖地”上昇率全国トップ G20会合、新幹線延伸…開発続く北海道倶知安町 基準地価

 北海道が19日発表した基準地価(7月1日時点)によると、住宅地、商業地、林地のいずれも“パウダースノーの聖地”として知られる世界的スキーリゾート・ニセコ観光圏の倶知安(くっちゃん)町内の地点が上昇率全国1位となった。上昇率はいずれも66・7%で、上げ幅は前年の33・3~45・5%より拡大した。人口約1万5000人の町で何が起きているのか。

 ■スキー場への交通拠点

 同町はローカル線の沿線にあり、JR札幌駅から倶知安駅へは約2時間半。オフシーズンの駅前商店街は人影もまばらだが、この一角が2年連続で商業地の上昇率全国トップとなった。

 倶知安駅が、ニセコアンヌプリ(標高1308メートル)の斜面に広がるスキー場への交通拠点となっているためだ。価格は1平方メートル当たり7万5000円。価格全国1位の東京・銀座2丁目の同4320万円と比べて低いものの、おしゃれな飲食店などが所々にみられ、夜は繁華街としての一面もある。

 ■国内企業も参入

 新幹線や自動車道の延伸が予定され、交通利便性が高まるとの期待もある。だが、ニセコ圏の魅力は訪日外国人に「JAPOW(ジャパウ)」と人気のさらさらとした雪質だ。南半球の夏に楽しめるとあって、オーストラリアを中心に香港、シンガポールなどからスキー客が集まる。

 道土地水対策課は「外資系が先行して開発を進めたが、ここ2年は国内の大手企業が参入している。ニセコ圏全体で別荘地としての需要が期待され、ニセコ町にも波及した」と話す。

 倶知安町にはスキー場が2カ所あり、早くから開発された「ひらふ地区」でコンドミニアム建設が続く。「花園地区」では20カ国・地域(G20)観光相会合を10月に予定。会場となるホテルが新たに開業する。

 ■北米からの宿泊客増

 道観光局の調査によると、倶知安町の平成30年度の外国人宿泊人数は約15万人。長期滞在のスキー客が多く、延べ宿泊数は約46万泊に上る。同町によると、北米からのスキー客の伸びが目立ったという。

 住宅地についても、同町が上昇率の全国上位3位までを昨年に続き独占。トップは4年連続ひらふ地区に近い別荘地で、2位と3位は駅周辺でリゾート施設従業員らの共同住宅を求める動きが反映された。林地は、花園地区に隣接する地点が6年連続の上昇率全国1位となった。

 北海道不動産鑑定士協会の斎藤武也副会長は「転売されず、相次いで建物が建てられている。強い実需がある」とみている。(寺田理恵)

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