“大虚報”が導く経済危機! 現在の政府の経済発表も…

 政府は「景気は緩やかに回復している」との表現を18年1月から使い続けている。デフレ圧力のもとで18年度の実質国民所得はマイナスになり、家計消費は低迷を続け、外需も米中貿易戦争のあおりで中国経済の減速が深刻化している現実を無視した「大本営発表」を修正しようともしなかった。動機は、10月の消費税増税の正当化だ。

 思えば14年度の消費税増税時も1997年4月の増税が現在まで続く慢性デフレの引き金になった事実を財務省や同省御用の学者やメディアが完全無視したうえだった。安倍晋三政権が2013年夏に増税実施の最終決断をする際、財務省OBの黒田東彦(はるひこ)日銀総裁は、増税の衝撃は金融緩和でカバーできると断言し、首相に予定通りの実施を催促した。それがいかに誤りだったかは、その後のデフレ、マイナス経済成長などをみても明らかだった。

 この新春は超弩級(ちょうどきゅう)の世界経済リスクが目の前に迫っている。きっかけは米軍によるイラン革命防衛隊の精鋭組織のソレイマニ司令官殺害だ。グラフは原油価格と米経済成長率の推移である。07年、米住宅市場のバブル崩壊を嫌った巨額の余剰マネーが原油相場を押し上げて実体景気を押し下げ、08年9月のリーマン・ショックを導いたのだ。最大の打撃を受けたのはデフレ日本である。(産経新聞特別記者・田村秀男)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ