三菱UFJ新社長・亀沢宏規氏 デジタル化の波に危機感

 東大大学院理学系修士課程を修了し数学を専攻した経歴は、文系トップが続く銀行業界で異彩を放つ。現金を使わないキャッシュレス決済をはじめ金融とIT(情報技術)の融合が急激に進む中、三菱UFJのチーフ・デジタル・トランスフォーメーション・オフィサー(CDTO)としてデジタル化の旗振り役を務めた責任者の登板は、業界の危機感の象徴ともいえる。

 「異業種の参入など金融を取り巻く環境は変化し、安心安全を旨としてきた銀行はどうやって変化に付いていくかが重たい課題だ」

 17日の記者会見でこう強調した。早い段階で次期トップを社内外に示す企業文化から、昨年4月にフィナンシャル・グループの副社長と傘下の銀行副頭取になったことで社長就任は確実視されていた。ただ、銀行頭取を経験する前という予想外のタイミングに業界内では驚きも広がった。

 暗号資産(仮想通貨)の基盤技術「ブロックチェーン(分散型台帳)」を活用した高速決済やデジタル通貨の開発、量子コンピューターの研究など、担ってきた重要プロジェクトはいずれも次世代の“飯のタネ”になりそうだ。前例踏襲では生き残れない厳しい時代のかじ取りを、メガバンク初の理系トップが担う。

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