住宅ローン審査資料改竄問題 不動産会社関係者が証言「職場のでっち上げや年収の水増しはアルヒ側が指示」

 固定の家賃収入が保証される「サブリース契約」を誘い文句に販売した投資用マンションをめぐり、住宅ローン審査のための源泉徴収票などの資料が改竄(かいざん)されていた問題で、住宅ローン大手のアルヒ(東京都港区)は、「(同社の)フランチャイズ(FC)店舗が主体となり不正を行った事実は現段階で確認されていない」と発表した。しかし、投資家にローンを紹介した不動産会社の関係者は夕刊フジの取材に「改竄はアルヒ側の指示によるものだった」と話しており、見解が食い違っている。

 問題が浮上しているのはアルヒと信販会社のアプラスが手掛けていた「アプラス投資用マンションローン」。マンションを購入する際に提出する源泉徴収票の年収を水増ししたり、勤務先をでっち上げるなどして審査を通し、無職や低所得の人にも物件を販売していたと、複数の投資家が証言している。

 アルヒはリリースで「不動産事業者から持ち込まれた書類を取り次ぎ、アプラスへ送付する業務のみを担当している」「審査や融資実行、債権管理などは一切行っていない」と説明した。

 これに対し、不動産会社関係者は、職場のでっち上げや年収の水増しは「アルヒ側の指示によるものだ」と話す。「職場については『勤続年数や在籍確認はいらない。保険証もいらないので、実在する会社を記載してくれれば問題ない』と言い、年収は『返済比率に合わせてください』と伝えられた」と証言する。

 いずれの指示も当時、東京都内と神奈川県内でアルヒがFC契約を結ぶ店舗の店員によるものだったという。

 関係者は、アプラス側も2017年ごろに年収などの改竄を認識していたというが、社員は「あまり派手にしないでくださいね」と事実上黙認していたという。

 不動産会社関係者の証言について夕刊フジがアルヒ広報部に見解をただしたところ、「指摘を踏まえ、当該FC店舗に対する確認を進めている」と回答。3日には「社内に特別調査チームを立ち上げ、社外の専門家のアドバイスを受けながら調査を実施している」とリリースを出した。

 アプラスの広報担当者は「該当するとみられる社員にヒアリングを行ったが、現時点では証言と一致する事実はない。今後も状況によって調査は続ける方針」とした。アプラスは現在、アルヒの仲介案件の新規受付を停止している。1月30日には「改竄に関わった販売事業者が判明すれば法的措置を含めた対応を取る」とリリースを出した。

 被害者の代理人を務める加藤博太郎弁護士は一連の不正をめぐり被害者の会を結成。アルヒおよびアプラスを相手取った損害賠償請求訴訟も視野に準備を進めている。

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