企業の8割超が「マイナス影響」 新型肺炎で大阪商工会議所が緊急調査

 大阪商工会議所は10日、会員企業1943社を対象に実施した、新型コロナウイルス感染拡大の影響をめぐる緊急調査の中間集計結果を発表した。中国事業を実施している企業の87・2%が、「マイナスの影響が出ている(今後生じる可能性がある)」と回答した。

 有効回答率は14・1%(274社)。中国関連ビジネスを展開しているのは、回答企業全体の54%だった。

 マイナス影響の具体的な内容は、「中国からの調達・輸入に支障」が41・7%で最多。以下、「中国の物流網が停滞し、仕入、納入、配送に支障」(29・4%)、「中国での製・商品の生産に支障」(22・7%)となった。

■中小企業を直撃

 大商の緊急調査では、新型コロナウイルスの感染拡大が中小企業の経営を直撃していることが明らかになった。外国人団体客のキャンセルや中国の製造拠点の操業停止などを受けて、一部の観光地や製造業で資金繰りが悪化。金融機関は緊急融資や返済スケジュールの見直しを進めており、収束の見通しが立たない事態に政府も対策に乗り出している。

 春節シーズンは訪日中国人客でごった返すはずの大阪・ミナミだが、商店街で働く人たちは「歩く人が激減した」と口をそろえる。普段は外国人客が大半という飲食店の女性店員は、「売り上げは2割近く落ち込んだ。今月はかなり厳しくなりそう」と肩を落とす。商店街の関係者は、「大阪は中国人客が多いというイメージがあるからだろう。日本人客まで敬遠している」と話す。

■生産地を中国から国内へ

 影響は製造業にも及ぶ。「オーダースーツ専門店ツキムラ」(大阪市)は稼働を停止していた中国湖北省の縫製工場が、10日にようやく一部再開。代替地での生産も進めるが、新年度前は注文が相次ぐ時期で、「入社式や入学式に向けたスーツの納期は厳守しなければならない。今後も推移を注視する」(岸裕亮専務)と危機感を募らせる。

 仮に中国国内すべての生産が今月末まで停止すれば、損害は約7千万円に上ると想定。影響を抑えるため、主力生産地を国内工場に転換する方針だ。

 金融機関も対策に動き出した。京都銀行は6日、被害があった企業を対象に5千万円を上限に特別融資を実施すると発表。同行が感染症拡大で対応に踏み切ったのは、平成21年の新型インフルエンザの流行以来となる。土井伸宏頭取は「観光地である京都には大きな打撃。資金繰りへの影響を考慮した」と話す。大阪シティ信用金庫(大阪市)は3日、顧客向けの相談窓口を開設した。

■融資返済期限の見直しも

 同様の動きは各地の地銀を中心に広がりつつある。麻生太郎財務相も7日、「丁寧な経営相談や資金面の支援など適切な事業者支援を促したい」と述べ、民間金融機関に協力を要請した。

 中小企業庁は全国の日本政策金融公庫や商工会議所、各地の経済産業局に相談窓口を設置。同庁によると、融資の希望や部材調達の相談など、全国で200件以上の相談が寄せられているという。

 窓口を設置している日本政策金融公庫の南近畿地区統括室では約20件の相談が寄せられた。融資だけでなく、返済期限の見直しを求める事業者もいるという。(岡本祐大 山本考志)

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