米中貿易戦争で影薄まるAIIB 虎視眈々と勢力拡大中

 自分たちでプロジェクトをつくっていく経験も乏しいため、融資も世界銀行やADBのプロジェクトに相乗りする協調融資となっているのだという。AIIBも人材の獲得に力をいれているが、大気汚染や教育環境に関する懸念があることから、家族を持つ人にとっては北京での勤務が障害となって、思うように人材を獲得できていないのだ。

 まだ発展途上のAIIBだが、加盟する国・地域は102と、ADBの68を大きく上回っている。その理由について、AIIBの実情に詳しい関係者は「加盟が政治の交渉カードになっている」と明かす。

 アジアの膨大なインフラ需要に対して、既存の国際機関だけでは賄い切れていない実情があり、AIIBに融資をしてほしい国は多い。また、巨大な人口を抱える中国とビジネスをしたいと思っている国も多く、両国が抱えるさまざまな障害を取り除く際の条件として、AIIBへの加盟を決めている国もあるのだという。

 交渉カードを武器に、AIIBは着々と加盟国を増やし、国際金融機関としての地位を確固たるものにしたいと考えているのだ。しかし、世界で1位と3位の経済大国が加盟していない状況はアンバランスだ。そこで、米国や日本にも加盟を呼び掛けているが、日本政府は加盟へのメリットが乏しいことなどから、現段階での加盟には後ろ向きだ。

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