「ニッサンパビリオン」1日オープン コロナでも「非接触」で先進技術と安全性アピール

 日産自動車は31日、8月1日から期間限定で横浜市のみなとみらい地区に開設する体験型ブランド発信施設「ニッサンパビリオン」のオープニングセレモニーを開いた。来年発売の新型電気自動車(EV)や自動運転など独自の先端技術に触れてもらう施設だが、本来は開催中のはずだった東京五輪は延期となり、海外からも見込んでいた集客は難しい状況にある。だが「『非接触型』技術が多い展示で感染防止策も万全」とアピールし、地元自治体の“お墨付き”も得るなどの工夫で、新型コロナウイルス時代の企業イベントの一形態も示す構えだ。

 「『ビヨンド・モビリティー』。車が移動の先へと社会を前進させ、人々の生活と社会を豊かにする未来が、日産が提供する価値。ここで体感できるテクノロジーは日産の挑み続ける精神の一端です」

 セレモニーで内田誠社長は、パビリオンで企業ビジョンを示したいと狙いを語った。コロナ対応に多忙な神奈川県の黒岩祐治知事らも出席し、林文子市長は「経済回復に向けて日産にはコロナの次の時代への後押しをいただきたい」とエールを送った。

 パビリオンのコンセプトは「人間の可能性の拡張」。スタッフは「日産が何のために技術を開発しているか。そのビジョンや思い描く社会の姿を伝える場を目指した」と語る。

 幅32メートル、高さ6メートルの大型スクリーンを備えた「ザ・シアター」は、映像に合わせて席が振動する作り。来年発売の最新EV「アリア」の実車が登場し、スクリーンとリンクして実際に走っているような感覚を得られるほか、日産が日本勢で唯一参戦する国際EVレース「フォーミュラE」で世界の都市を駆け巡るバーチャルレースを実施。日産のアンバサダーを務める大坂なおみ選手と対戦できるバーチャルテニスもある。

 カフェスペースでは、ロボット「プロパイロットウエイター」が無人で給仕。高速道路での一時手放し運転を可能にした運転支援技術「プロパイロット2・0」などの自動運転センサー技術を応用したもので、料理を厨房からテーブルへ直行して運び、人との接触機会を減らす。

 10年前に世界初量産EV「リーフ」を世に出した先駆者ならではの電気技術の仕掛けも。館内電力は、太陽光パネルで発電し、リーフを蓄電池として蓄えられた電力でまかなわれる。EV(一部のハイブリッド車も含む)専用駐車場「エナジーシェアパーキング」は駐車料金としてお金ではなく、車載バッテリーの電気を館内電力用に提供してもらうユニークな仕組みだ。

 館内通路では未発売のアリアへ同乗体験もできる。

 ショートムービーを上映するブース「ザ・ライフ」では、人気アニメ映画「君の名は。」のプロデューサーの伊藤耕一郎氏、映画監督の永井聡氏を起用した2つのストーリーを用意。車同士がつながるコネクテッドカーや自動運転といった次世代技術を通じて実現を目指す、未来の生活や社会像を描いている。

 これらをコロナ禍で多くの人に伝えるにあたり、大規模施設でも安心して入場してもらうための感染防止対策は、重要な課題だ。

 スタッフのマスク・フェースシールド着用、入場時の検温はもちろん、約1万平方メートルの敷地面積に対して滞在できる入場者数を最大300人に制限。カフェは現金不可でキャッシュレス決済のみとした。

 さらに、神奈川県に事業登録して発行してもらう「感染防止対策取組書」を取得。同時に発行されるQRコードから入場時に登録してもらう県の「LINEコロナお知らせシステム」と合わせ、行政のお墨付きも得た形だ。

 他の地元企業とともに地区全体で展開する予定だったイベントは一部で縮小されたが、内田氏は「徹底した感染防止対策で、横浜のブランド向上、みなとみらいのにぎわい創出にも貢献したい」と発言。コロナ禍でもイベント効果を発揮したいとの考えを語った。

 パビリオンは入場無料で10月23日まで。平日11時、土日祝日10時開館で、閉館は午後7時。

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