GoToで「普段よりも高い宿」 海外旅行の予算感覚で国内旅行

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」を利用した宿泊商品の1人当たりの単価は1万円未満が6割となった-。観光庁のデータでトラベル事業の利用状況の断片が明らかになった。他方、旅行商品を扱う現場では、普段よりも価格帯の高い宿泊先を選ぶ利用客の傾向もみられるという。背景には、海外旅行にかける費用と同程度の予算を使うことへの抵抗が低いという旅行客の心理があるようだ。

 観光庁によると、トラベル事業を使った宿泊商品のうち、8月の1人当たり単価は1万円未満が64・1%だった。このほか、1万円以上1万5千円未満が13・1%、1万5千円以上2万円未満が9・1%、2万円以上2万5千円未満が5・4%、2万5千円以上3万円未満が3・4%、3万円以上が4・9%だった。

 観光庁は「1万5千円未満の利用は8割近くを占めている」として低い価格帯の利用が大半と指摘する。

 一方、旅行代理店の現場では、トラベル事業が始まり、夏休み期間に突入した7、8月の宿泊予約は比較的高価な商品が人気を集めていたという。

 ある旅行代理店の担当者は「東京が除外されていた期間はいわゆる“マイクロツーリズム”が定着し、近場、高級宿、マイカーでの旅行がトレンドだった」と振り返る。9月に東京が関わる旅行がトラベル事業の対象に加わることが決まると、公共交通機関を使った中距離旅行を含め、予約の問い合わせが急増したという。この担当者は東京が対象となってからも、「いつもそのお客さまが利用されるクラスのワンランク上のホテルを予約されているとの印象を受ける」と話した。

 別の旅行代理店の担当者も「高級旅館ばかりが売れるというわけではない」とした上で、「国内旅行としては普段より高い宿や部屋に泊まる傾向はあった」と言及した。その背景については、新型コロナウイルス禍がなければ海外旅行をしていた旅行客が、海外旅行の予算と同様の感覚で国内旅行に出かける実情があると分析する。

 また、トラベル事業を出張で使う利用者もいる可能性を指摘し、「低価格帯も高価格帯も両方選ばれる」と述べた。

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