「禅と骨」これはドキュメンタリーか否か ドラマ、アニメ…多彩なスタイル織り交ぜ日系人禅僧の生き方に迫る

【映画深層】

 ポスターには「長編ドキュメンタリー」と表記されているが、そんな枠には収まりきれない革新的な作品と言っていいだろう。9月2日公開の「禅と骨」は、「ヨコハマメリー」(2006年)をヒットさせた中村高寛(たかゆき)監督(42)による11年ぶりの長編映画で、ドラマやアニメーションなどさまざまなスタイルを織り交ぜて、1人の日系米国人禅僧の生き方をあぶり出す。「自分からドキュメンタリー映画監督と名乗ったことは1回もない」という中村監督だが、この作品を手がけたことで、改めてドキュメンタリーが自分にとっては最良の方法であることに気づいた。

■告別式で方向性が決まった

 まさに何が飛び出すか分からないびっくり箱のような映画だ。

 主人公は、京都・嵐山の天龍寺で禅僧を務めるヘンリ・ミトワさん。1918年に米国人の父と芸者だった母との間に横浜で生まれたミトワさんは、40年に母と別れて1人で米国に渡る。戦時中は日系人強制収容所で過ごし、その間に結婚した妻との間に3人の子供に恵まれた。

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