CG使わず実写のみ! 史上最大の撤退作戦描いた戦争映画「ダンケルク」、早くもオスカー有力候補視

 【LA発】

 息もつかせぬ迫力シーンの連続。クリストファー・ノーラン監督の「ダンケルク」(日本公開9月9日)は、名工の冴え。戦争映画の最高峰といえる傑作だ。

 時は第二次世界大戦中の1940年5月末から6月初め。欧州を侵攻するナチス独軍に、英仏はじめ連合軍は仏海岸の町ダンケルクに追い詰められ絶体絶命の窮地に陥っていた。

 海峡を挟み英国は目前。だが海は浅く大型船での撤兵は阻まれる。兵士救出を買って出た勇敢な英国市民の何百隻もの小型船と連合軍の史上最大の撤退作戦「ダイナモ作戦」が展開された。この史実に基づくノーランの脚本は、3つの視点と時間経過でつづられる。

 第一は「陸」の1週間。疲弊した連合軍兵士であふれかえる海岸は容赦なく爆撃され、救出船も砲火に遭い溺死する兵士も続出する惨状だった。英軍の若い兵士トミー(新人俳優フィン・ホワイトヘッド)は、脱出船に潜り込もうと桟橋に身を隠す。

 第二は「海」の1日。英国の老人ドーソンは息子らとともに自らの小型船を操縦し、兵士を救うため危険なダンケルクへと向かう。英国人の間で今も「団結して困難を克服する」意味の「ダンケルク・スピリット(魂)」という言葉が、誇りを持って使われる。ドーソン役は「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー助演男優賞を獲得した英国の名優マーク・ライランス。愛国心を秘めた知性あふれる演技が、正にこの言葉を体現する。

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