「世界文化賞」受賞者発表 絵画部門は映像作家のシリン・ネシャット氏

 世界の優れた芸術家を顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第29回受賞者(5部門5人)が決まり12日、東京や米ニューヨークで発表された。絵画部門は、現代イスラム社会における女性の在り方を写真やビデオ、映画で、詩的かつ刺激的に表現する女性映像作家、シリン・ネシャット氏(60)が受賞した。授賞式典は10月18日に東京・元赤坂の明治記念館で行われる。

 イランと米国の国籍を持つネシャット氏は、ニューヨークが活動拠点。写真や映画でイスラム社会に生きる女性たちの抑圧された状況を活写、転じて普遍的な女性の在り方も模索してきた実績が高く評価された。

 「私の作品は非常に政治的で情緒的で激しい。私自身、感情的にも政治的にもイラン文化とアメリカ文化に引き裂かれています」とビデオメッセージで受賞の弁。「帰属意識を持てない地球的放浪人なんです」と語り、その根無し草的な反骨精神が斬新な作品群を生んでいるようだ。

 1957年3月26日、親米政権下のイラン・カズヴィン生まれ。17歳で米国の高校へ留学、大学で美術を学んだ。卒業後は芸術と距離を置き、米国で職を転々。79年にイラン革命が勃発するや米国とイランは国交断絶となり、帰国できなくなった。

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