スイス・仏合作の社会派人形アニメ「ぼくの名前はズッキーニ」原点は日本のあの名作

【映画深層】

 人形を1コマ1コマ動かして撮影するストップモーション・アニメーションといえば、英国の「ひつじのショーン」やロシアの「チェブラーシカ」など、ほのぼのとしたお話でおなじみという人も多いだろう。だが2月10日公開のスイス・フランス合作「ぼくの名前はズッキーニ」は、児童虐待や育児放棄といった厳しい現実社会をテーマに扱っている。昨年の米アカデミー賞長編アニメーション部門にノミネートされるなど、世界中で評判を呼んでいるが、来日したスイス出身のクロード・バラス監督(45)は「製作資金の調達が大きな挑戦だった」と打ち明ける。

孤児院の子供たちを描く

 この作品はフランスの作家、ジル・パリスの児童文学を原作にしている。飲んだくれて怒ってばかりいる母親と2人暮らしの少年、イカールは、母親からズッキーニ(フランス語だとクルジェット=courgette)と呼ばれていた。酒に酔った際の事故で母親を失った彼は、警察官のレイモンによって孤児院のフォンテーヌ園に預けられる。ドラッグ中毒や不法滞在の外国人など、さまざまな問題を抱えた家族と離れて過ごすクラスメートとともに、徐々に寂しさを紛らわせていくズッキーニだったが、そんな彼の前に新たな入園者のカミーユが現れる。

 扶養手当目当てにめいを引き取りたいと乗り込んでくるカミーユの叔母との攻防など、子供たちの生き生きとした描写が、大きな目の愛らしい人形によるぬくもりある動きで表現される。

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