おきて破り!? 大河ドラマはなぜ明智光秀を選んだか 本郷和人・東大教授が読み解く人選の理由

実は不明な前半生

 そして気になるのは、やはりドラマの中身、特にストーリーだ。「たとえば司馬遼太郎の『国盗り物語』(昭和48年大河ドラマ原作)では光秀が副主人公で、明智城城主の一族かつ斎藤道三の正室のおいとして登場する。つまりいいところのボンボンなんだという解釈を司馬は採用していたけど、どうもそれは嘘らしい。実際はどこの馬の骨か分からない、というのが現在の研究状況」と本郷教授は解説する。

 「逆に言うと、光秀がどんな前半生を送ってきたのかはたいした学説もなくてよく分からないわけで、その空白部分にどういうふうに話を組み立てるのか。今の脚本家の方は原作付きを好まないとも聞きますし、一から話を作っても大丈夫というのは、脚本家にとっては腕の見せ所ですね」

 「前半生は各地を放浪し、妻と出会って愛を育む、みたいな話になるのかな。奥さんが髪を売ってお金を作った、みたいな伝説もあるわけですし。信長と出会って以降は、まあ大体いつも通りの話になるんでしょう。だからオリジナリティーが多く出せる前半と、安心して見られる出世物語の後半、というふうにコントラストが付くのでは。そうなると王道すぎて、古くからの大河ファンには物足りない可能性も出てくるけど」

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