おきて破り!? 大河ドラマはなぜ明智光秀を選んだか 本郷和人・東大教授が読み解く人選の理由

本能寺の変の扱いは?

 本郷教授は、「細かい点で言うと、『武功夜話』(戦後に発見され、織田信長や明智光秀らについて多くの逸話を含むが、偽書説も強い史料)の扱いをどうするのかとか、濃姫(斎藤道三の娘で織田信長正室)をどう描くのか、とかもありますね」と、時代考証についての注意点も指摘する。特に物語のクライマックスと想定される本能寺の変は、光秀の動機をめぐり今でも議論が分かれるテーマでもある。

 「本能寺の変にどうストーリーを持っていくのか。まあいくらなんでも、信長の非道を止めようとした、というのはないのでは。だって、比叡山を焼き打ちしたときに一番手柄を挙げたのは光秀で、それで後の坂本城一帯をもらったんですから。怨恨(えんこん)説とか四国出兵説とかいろいろありますけど、ぼく説は単純に、信長の家臣でいることに疲れちゃったんだろうな、と(笑)。背後の陰謀だとか、そんな難しいことは考えない説、です(笑)」(文化部 磨井慎吾)

 本郷和人(ほんごう・かずと) 東大史料編纂所教授。昭和35年、東京都生まれ。東大文学部卒業。博士(文学)。専門は日本中世史。近著に「日本史のツボ」(文春新書)、「壬申の乱と関ヶ原の戦い」(平凡社新書)など。連載「本郷和人の日本史ナナメ読み」は産経新聞朝刊で毎月第1、第2木曜日掲載。

 麒麟がくる 平成32(2020)年1月から放送予定。脚本は池端俊策さん。

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