ある家族のドキュメンタリーが予想外にドラマチックだった ポーランドの「祝福~オラとニコデムの家~」

【映画深層】

 一口にドキュメンタリー映画と言ってもさまざまだが、東欧ポーランドからやってくる「祝福~オラとニコデムの家~」(6月23日公開)は、ちょっと驚くような内容だ。ワルシャワ郊外に住むある家族に密着した作品で、誰もがカメラなどまるで存在しないかのように普段のままの姿をさらけ出している。展開も劇映画並みにドラマチックだが、これが初の長編となるアンナ・ザメツカ監督は「撮影を始めたときは、こういうことが起きるとは予想もできなかった」と打ち明ける。

自然な振る舞い

 「祝福」でザメツカ監督が取り上げたカチャノフスキ一家は、父親のマレクと14歳の姉オラ、1つ下で障害のある弟ニコデムの3人で暮らしている。母親のマグダレナは何年も前に家を出たきり帰っておらず、父親も酒浸りで頼りにならない。姉のオラが一家を切り盛りしている格好だ。

 カトリック信者である一家にとって目下の最大の関心事は、ニコデムの初聖体拝領式。聖体すなわちキリストの体を表す特別なパンを食べることで、自らの意志でカトリック教徒になる儀式のことだ。ザメツカ監督によると、初聖体拝領式は子供から大人に移行するための通過儀礼であり、家族で過ごす大切な行事だという。普通は7~8歳で経験するが、障害のあるニコデムはかなり遅れていた。

 聖体を受けるには、事前に神父によって行われる面接試験に合格しなければならない。オラは弟にしっかりと受け答えできるよう指導するとともに、式には母親にも来てもらいたいと連絡をする。

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