「少女邂逅」注目の女性監督が23歳で見せた大胆手法 14歳の頃の痛み描く

【映画深層】

 末恐ろしい新人監督が現れたものだ。「少女邂逅(かいこう)」(6月30日公開)で長編デビューを果たす枝優花(えだ・ゆうか)監督(24)。23歳のときに撮ったこの映画は、観客の想像に委ねる大胆な語り口といい、斬新な視点でとらえた映像センスといい、すべてが野心的で驚きの一語に尽きる。3月の香港国際映画祭をきっかけに海外でも注目の的だ。

痛み薄れる前に

 同級生による度重なるいじめで声が出なくなってしまったミユリ(保紫萌香(ほし・もえか))は、林の中で拾った蚕の幼虫が唯一の支えだった。ツムギと名付けて大事に育てていたが、ある日、いじめっ子に見つかって捨てられてしまう。うちひしがれるミユリだったが、翌日、紬(つむぎ)(モトーラ世理奈(せりな))という転校生がクラスにやってくる。

 自身の中学生のころの実体験に基づいた。14歳のとき、いじめが原因で場面緘黙(ばめんかんもく)症という、声が出なくなる症状に悩まされたのだ。

 群馬県の生まれで養蚕業が身近だったこともあり、蚕を題材に物語を紡ぐことができないかと考えたときに、自身の経験とひもづけることを思いついた。

 「あのぐらいの年齢のときって、中身を磨くよりも、かわいくなりたいとか外見を気にする傾向がある。蚕の繭も中身よりも外側が重視されるし、10代の多感な時期の子たちとリンクできそうだなと思った」

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