テニスの歴史的な男女戦描く「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」監督はおしどり夫婦

【映画深層】

 兄弟監督はそれほど珍しくないが、夫婦で映画を撮っている例はあまりない。7月6日公開の米映画「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」を手がけたヴァレリー・ファリス(59)とジョナサン・デイトン(60)両監督は、大学で出会って以来、いつも一緒に作品づくりをしてきたおしどり夫婦だ。来日取材でも、妻が「時には大変なこともあるけどね」と言えば、夫が「そう、簡単ではない。お勧めはできないかな」と応え、息の合ったところを見せつけた。

人間ドラマだから面白い

 そんな夫婦仲のよさとは裏腹に、「性差を超えた戦い」という意味のタイトルを冠した「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は、実話を基に、男女平等を訴える女性たちと男性至上主義者たちとの軋轢(あつれき)を描く作品だ。

 1973年、女子テニスの世界王者、ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)は、女子の優勝賞金が男子の8分の1という事実に抗議して女子テニス協会を設立し、独自の大会を模索する。男子主体の全米テニス協会は反発するが、この騒動に便乗して目立とうと企てた男がいた。かつての世界王者で、55歳の現在は表舞台から遠ざかっていたボビー・リッグス(スティーブ・カレル)だ。キング相手に挑戦状をたたきつける。

 この性差を超えた世紀の一戦の行方を柱に、同性愛に目覚めたキングと夫との関係、夫婦仲が冷え切っていたリッグスの妻への思いなど、さまざまな人間模様が絡み合う。

 「これは非常に重層的な作品だと思っている。単なる政治ドラマやスポーツものだったら面白くない。土台にキング、リッグス双方の人間ドラマがあるからこそ興味深いものになっている」と夫のデイトン監督が語ると、妻のファリス監督が「それがないと教訓だけで終わってしまう」と言葉を継ぐ。

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