「ゲヘナ~死の生ける場所~」で念願の監督デビュー ハリウッドで活躍の日本人造形アーティスト

【映画深層】

 今や米ハリウッドで活躍する日本人は少なくない。「パシフィック・リム」(ギレルモ・デル・トロ監督、2013年)などの特殊造形を手がけた片桐裕司(ひろし)さん(46)もそんな一人だが、ついに念願の監督デビューを飾った。製作資金の捻出など苦労も多かったが、「いずれは大作映画を監督したい」と意欲満々だ。

■アメリカンホラーの王道

 片桐さんの初監督作品は「ゲヘナ~死の生ける場所~」というタイトルで、米国では5月に公開。日本では7月30日から1週間限定で、東京・渋谷の多目的劇場ユーロライブで上映される。

 舞台は日米の激戦地だったサイパン島。リゾートホテルを建設しようと島を訪れた開発会社のポリーナとタイラーは、コーディネーターのアランとカメラマンのデイブ、案内役の現地住民、ぺぺとともに候補先のジャングルに分け入る。地下に通じる階段をたどっていくと、秘密基地のような部屋の中にミイラ化した死体を見つけるが、ポリーナは死体が着ている服が新しいことに気づく。

 ミイラ化した死体や5人を襲う幻覚など、片桐監督お得意の特殊造形を駆使してふんだんに恐怖を演出。主人公たちが徐々に追い詰められていく構図は「悪魔のいけにえ」(トビー・フーパー監督、1974年)以来の伝統だし、ボージョボー人形(願掛け人形)など土着の風習や旧日本兵などサイパンの文化や歴史も絡ませる。さらにラストには大どんでん返しが待っているなど、アメリカンホラーの王道のような作品になっている。ゲヘナとは、キリスト教における地獄を意味する。

 「初めて作る映画を考えたら、(特殊造形という)自分の職業を生かさない手はないと思ったんです」と片桐監督は打ち明ける。

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