「詩季織々」10年来の夢を実現 中国の監督が日本のアニメ会社とタッグ

【映画深層】

 10年来の夢だった。8月4日公開のアニメーション映画「詩季織々(しきおりおり)」は、総監督を務めた中国のリ・ハオリン(李豪凌)監督(32)が、「君の名は。」(新海誠監督、平成28年)で知られる日本のアニメ制作会社「コミックス・ウェーブ・フィルム(CWF)」と組んで作り上げたオムニバス作品だ。念願のCWFとのコラボレーションが実現したリ監督は「すごくうれしいし、興奮しているが、同時に緊張もしている」と表情を引き締める。

心情を叙情的に語る

 きっかけは、CWFが制作した平成19年の新海監督作品「秒速5センチメートル」だった。大学生だったリ監督は、このアニメーションを見て衝撃を受ける。

 「ほかの商業的なアニメと比べて、『秒速5センチメートル』は、物語をつづるというより、作者の心情を叙情的に語るという感じで、一瞬で心を奪われた。いつかはCWFと一緒に作りたいと思ったが、まだ自分はアニメ業界の人間でもなかったし、あくまでも想像上の話でしかなかった」とリ監督は振り返る。

 「詩季織々」は、まさに「秒速5センチメートル」に感化された作品と言っていいだろう。3話からなるオムニバス形式で、それぞれ北京、広州、上海が舞台。第1話「陽だまりの朝食」が祖母と孫、第2話「小さなファッションショー」が姉と妹、第3話「上海恋」が幼なじみという人間関係を主軸に、現実と過去が交錯する叙情的な世界が展開する。

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