「詩季織々」10年来の夢を実現 中国の監督が日本のアニメ会社とタッグ

聖地巡礼は「急いで」

 「詩季織々」は中国でも公開されるが、大ヒットを記録したCWF制作の「君の名は。」と比べ、ごく小規模での展開になる。「大々的に受け入れられるとは期待していない。アニメのコアなファンがいい映画だと思ってくれたらうれしいですね」と控えめだが、むしろ日本、中国にとどまらず、世界に広がっていけばという思いがある。

 「実写映画だと、人種や文化の違いを乗り越えて世界中に受け入れられるのは難しいと思う。でもアニメはその差異が非常に少なく、世界に発信することができる。アニメ作家としてもスタジオ経営者としても、自分の作品が世界中に愛されることは、究極の願望ですね」

 アニメの世界では近年、「聖地巡礼」といって、作品の舞台になった場所を訪ねて作品世界を再確認する動きがはやっている。「君の名は。」の舞台となった岐阜県飛騨市には、中国からも大勢の観光客が殺到しているが、「詩季織々」では日本から中国への聖地巡礼があるかもしれない。

 「そうなってくれればうれしいが、もし上海に聖地巡礼に行きたい人がいたら早くしないと。あの風景はもうそんなに残っていませんから」(文化部 藤井克郎)

 リ・ハオリン(李豪凌) 1985年、中国・上海生まれ。東華大学卒業後、上海のアニメスタジオに入ってアニメーターのキャリアをスタートさせる。2013年、インターネットテレビ向けのアニメ「LU’S TIME」で監督デビュー。14年に自身のアニメ制作会社「ハオライナーズ」を設立。現在は上海のほか、重慶、広州、さらに東京にもスタジオを構え、年間約20本のアニメ作品を制作している。

 「詩季織々」 8月4日から東京・テアトル新宿、名古屋・センチュリーシネマ、大阪・シネ・リーブル梅田、京都・出町座、福岡・福岡中洲大洋、札幌・ディノスシネマズ札幌劇場、仙台・フォーラム仙台など全国で公開。

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