やるっきゃない! 一目ぼれした「フランスの絵本」を日本で… 翻訳は小山薫堂さんしかいない!

【30年の時を超えてミスDJ・千倉真理 読むっきゃない!!】

 この連載が始まった先日、1日から5日までパリに行っていました。パリには昔、夫の仕事の関係で2年ほど住んでいました。2005年、パリの書店でとても素敵な、白くて細長い絵本を見つけました。1人の男の子の成長を赤い糸でつづった作品。一目ぼれでした。

 この本をなんとか日本で出したい! そんな思いで版元に電話で突撃。フランス人の版権担当に聞かれました。

 担当「この本は大事に売っていきたいが、あなたの出版社は実績があるの?」

 私「歴史はすごく長いです。信頼もあります。ただ専門書をやっている会社なので、純粋な絵本は初めてです」

 担当「あら残念ね。販売力のある出版社にやってもらいたいのよ」

 私「…」

 その時は引き下がりました。その半年後、千倉書房に「予定していた版元が出版しないので、もしまだやりたかったら、連絡してください」とファクスが。

 やるっきゃない!

 そうそう、今も昔も「“やるっきゃない”って千倉さんが言いだしたのですよね」と言われますが、これは昔からの口ぐせです。80年代のミスDJでも「聞くっきゃないわよ」と自然に言っていて、今回のコラムのタイトルも「読むっきゃない」となった次第です。

 一目ぼれしたフランスのアート絵本。人生にはいつもいろんな“待ってる”が待ってることを描いており、イラストが本当に素敵。何が何でも日本で出すっきゃないわけです。

 初めての絵本作りが始まります。千倉書房の本は大学の生協で販売するものがほとんどで、一般の書店に営業をかける社員もいませんでした。

 この世界観を素敵に表現(翻訳)してくれる人を探さなくては…。絵本の表紙を見ていたら、小山薫堂さんの顔が浮かびました。昔、文化放送で深夜放送をやっているときに、小山さんはアルバイトだったので顔は知っていました。そのころは「料理の鉄人」「カノッサの屈辱」というヒット番組を手掛け、映画「おくりびと」の脚本を書いているところでした。

 事務所にお願いすると快諾していただき、素敵な日本語訳をつけていただきました。日本語タイトルは「まってる。」。06年に発売し、今年2月には14刷に到達。20カ国で訳されたこの原作は日本で一番多くの方の手にとってもらっています。

 ■千倉真理(ちくら・まり) 千倉書房編集担当役員、ラジオ・パーソナリティー。1962年、東京都生まれ。成城大時代に81年から始まった、文化放送「ミスDJリクエストパレード」初代水曜日(後金曜日)担当。30代から外務省勤めの夫とイタリア、タイ、フランス、カナダの4カ国に住み、イタリアで長女を、タイで長男を出産。2005年から実家の千倉書房でフランスのアート絵本の企画を始める。

 現在は文化放送「ミスDJリクエストパレード~8116サンデーアップ」(日曜午後1時)に出演中。

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