おりも政夫、ジャニーさんは「芸能界のすべてを教えてくれた人」

 初期のジャニーズ事務所を代表するグループ、フォーリーブスの元メンバーで俳優、おりも政夫(66)が10日、「市川由紀乃特別公演」に出演中の大阪市天王寺区の新歌舞伎座で取材に応じ、前日9日に死去したジャニーズ事務所社長、ジャニー喜多川(本名・喜多川拡=ひろむ、享年87)さんを悼んだ。

 「われわれメンバーは兄弟みたいだったけど、ジャニーさんは兄貴のようでした。下にも降りてきてくれるし、上にもいてくれる。芸能界のすべてを教えてくれた人。本当にありがとうございましたという気持ちと、ずっと天国から見守ってくださいという気持ちです」

 前夜11時ごろ、滞在中のホテルで訃報の連絡を受けた。最後に会ったのは昨年9月、東京・日生劇場でジャニーさんが企画・構成・総合演出を務める「少年たち」に「YOU見においでよ」と招待されたとき。15分ほどだったが、約20年ぶりに再会した。

 「ジャニーさんに会いたいと思っていたし、うれしかった。その時は元気だったんですよ。肌つやもいいし、張りもあった。ちょっと足が具合悪いと言っていたましたけど。会えなかったら、もっと寂しかったんだろうなと思いました」

 劇団若草に在籍していたおりもが13歳のころ、帝国劇場で「YOUやってみないか」とジャニーさんにスカウトされた。偶然にも同時期に事務所の先輩グループ、ジャニーズが解散。ミュージカル上演が決まっていて、男4人が必要とされていた背景もあった。

 デビュー当時は現在のように大きな事務所ではなく、ジャニーさん自ら当時乗っていたクライスラーに楽器とメンバーを乗せ、姉のメリー喜多川副社長(92)が作った手縫いの衣装を着て、手作りステージのジャズ喫茶を回った。

 夏休みなどには長期間ツアーをともに回り、つかの間の休みにはマージャンなどを一緒に楽しんだ。「僕たちの世代にとってジャニーさんはメンバーの1人。5人目のメンバー。『YOUひげそりは何使ってるの?』とか、おもしろいんだよね。本当に憎めない」と笑いながら話した。

 改めて、ジャニーさんとの思い出を聞かれると「四六時中いましたからたくさんありすぎて。多感な時期ですから、ゲタで殴られたこともありましたよ。ジャニーさんは厳しいときは厳しい」と苦い記憶も。

 それでも「ショーなんかでちょっとでもいいとすごく褒めてくれる。『YOUいいねー』って。ジャニーさんは長所を伸ばして、子供心に上手に言ってくれる。気持ちよくなって100以上のものが出るけど、ハメを外しすぎるとコツンとやられる。それがジャニーさんなの」と人柄を明かした。

 若い才能を見いだし、世に送り出し続けたジャニーさん。そのプロデュース力を肌で感じてきたおりもは「誰に聞いても『どうして、あの演出ができるんだろう』と。すばらしい演出家でこの人を超える人はいない。つまり、お客さんを楽しませる、飽きさせない、満足させる。ドキッとさせる。あの頭の中を1回見てみたい」と天才的な演出力には驚嘆するばかりだった。

 「ジャニーズ事務所で頑張っている連中は、みんなジャニーさんのおかげ。エンターテインメントの素晴らしさ。もうひとつはメリーさんのしつけ。子供たちが大人の世界にも入っていくわけだから、礼儀作法をしっかりしないと。この2枚看板がジャニーズ事務所の大きな力ですね」とジャニーズブランドを築き上げたルーツを明かした。

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